2010年10月20日水曜日

小児科のお医者さん

2010年10月20日(水)
<いよいよ、小児科にいってみることに>
いよいよ、おークリニックのおー先生のところにいってみます。
「ステロイドやめてみます。いざというときに力になってくれますか?」とたのみにいくだけって、どうなの…と躊躇していましたが…。
でも「いざ」というときがほんとにきてしまったとき、右往左往するのは避けたい…。

でも、うまく説明できるかしら。ただでさえこみあう診察室。
「ステロイドやめようとおもってます」「そうなの。でも、おかあさん、そんなにこわがる必要はないのよ…」的に、ステロイドの説明がはじまってしまったらアウトかも…。
そんなことをおもって、こんな手紙をかいてみました。

<小児科医への手紙>
【おねがい】
ステロイドをつかわないで、アトピーとつきあいたいとおもいます。
感染症や重症化が心配です。お力をかしてくださるでしょうか。

【ステロイドをやめるにあたり】
以下の本をはじめ、さまざまな情報源にあたりました。(本・論文・当事者のブログなど)
佐藤健二『患者に学んだ成人型アトピー治療―脱ステロイド・脱保湿療法』柘植書房2008年
深谷元継『ステロイド依存―ステロイドを止めたいアトピー性皮膚炎患者のために』柘植書房1999年
安藤直子『アトピー性皮膚炎 患者1000人の証言』子どもの未来社2008 年

【経過】
☆ステロイドと保湿をやめてから1ヶ月がたちます。
 初日~6日め:どんどんきれいになっていきました。
7日~8日め:体中が真っ赤、まぶたもはれあがり、くるったように身体をかきむしるようになりました。夜中にも、絶叫しておきるほど、かゆかったようです。
9日~14日め:皮膚から赤みがひき、背中はすべすべに。顔はこふきいものようでしたが、全体的におちついていきました。膝は、しみだしたリンパ液のため、ぐじゅぐじゅでした。
15日~25日め:どこもかしこも、「乾燥」して、ぱりぱりでしたが、かゆみはおちつき、本人もかなり満足していました。
25日~  :ふたたび、膝下が、じゅくじゅくしてきました。

☆ここ2年間つかっていた薬
1日2回の飲み薬:抗アレルギー剤のオキロット
ステロイド:顔用にロコイド、まぶた用にプレドニン、体用はリドメックスが常用。
ひどいときは、アンテベートその上から亜鉛華軟膏をぬってリント布でおおう。
頭には、リドメックスローション
保湿剤:ヒルドイドローション
その他、耳鼻科で
鼻づまりに : 小児用フルナーゼ
結膜炎に : フルメトロン

【来院した理由】
一度、「セカンドオピニオンを」と、こちらにうかがいました。「この程度でそんなステロイドつかわなくても」とおっしゃっていただき、こころづよかったのですが…。
こちらの病院はいつもこんでいて、仕事がえりに通院するには、躊躇がありました。また当時は、「強いステロイドをささっとつかって、はやめにきりあげる方が効果がある」とする医師のホームページもたくさんあり、当時かよっていた皮膚科医の方針とのあいだでまよってもいました。
今回、受診にあたり、ネットでもあちこちの病院を検索しました。が、アスペルガーの長男が頭痛をうったえたとき、親身になって息子の話をきこうとしてくださった先生なら、ステロイドをやめてみたいという話にも耳を傾けてくださるのではないかと考えました。
もし、むりであれば、率直におっしゃってください。ご自身の治療方針とことなる治療を希望する患者をうけいれることは、リスクが高いであろうことは予測がつきます。うらんだりはしません。

<はたして、お医者さんの反応は!?>
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

【てみじかな結果報告】
まずは、結論からかきます。
手紙:持参してよかったです。話がはやかった。
反応:「あーそうなの」とかるくあつかわれました。
結果:治療として全身に、おもてとうら、2分ずつ、紫外線放射
投薬:かゆみどめとして抗アレルギー剤(ゼスラン)と、化膿止めにと抗生物質(フロモックス)整腸剤(ビオフェルミン)いり
感想:個人的には、この人、かなり好き。でも…医者として…どうなの?

さて、よろしければ、具体的なやりとりもよんでください。

【治療方針をめぐる攻防】(お=おー先生 ぴ=ぴーふけ)
お「で、ステロイドつかいたくないと。この佐藤先生って、まえに名市大にいて大阪にうつられた先生よね。深谷先生は国立病院にいた人。うん、この人たち、こういう主張してますよね。でも、どうなのかしら? 保湿ぐらいしたら?」
ぴ「一緒にやめるのが重要だと、かれらはいっています」
お「うーん、とにかくみせて」ふっくんの足をみて「うわっ、ひどい! これ、貨幣状湿疹になっちゃってるじゃないの。やっぱり、おくすりつかわないのは、よくないんじゃないの?」
ぴ「ステロイドをつかっていた、8月から、こうです。よくなったほうです」
お「うーん。たしかにねー、わたし、こどもにアンテベートつかうなんてよくないとおもうし、顔にロコイドって…もっといいくすりあるのよ」
ぴ「プロトピックですか?」
お「よくしってるわね。あれ、いいらしいわよ」
ぴ「でも、かなり顔がひりひり痛いそうです。使用していた知人をしっていますが、よくは言っていませんでした。彼女たちは、結局、脱ステ・脱保湿を選択し、ステロイドやプロトピックをつかっているころより、状態がいいそうです」
お「でも、とにかく、これ足はひどいわよ。リドメックスぬって、亜鉛華軟膏でおおうとか…(手紙をみて)あっ、これ前のお医者さんでも、やってたのね。でも、保湿ぐらいしないと…。しってる? ほら、このあたり、ひびわれてるでしょ? こっからね、アレルゲンがなかに浸透するんですって。信じない? パンづくりが好きなおかーさんが、小麦粉とばしたりするじゃない。で、このわれめから、侵入してアトピーをおこす。学会で、そんなこと発表してた人、いたわよ」
ふ「おかーさんが、パンなんか毎日つくってるのが、わるいんじゃん!」
お「おかーさん、毎日、そんなことしてるの? まー、小麦粉だけじゃなくてね、ダニとかほこりも、侵入するんだってよ」
(あのー。学会発表は、発表するだけなら、学会員ならだれてもできるんじゃないですか?ただしい説とは、かぎらないとおもいかすが…。それに、アレルゲンは関係ないっていってる人もいるし、それ、どう説明します?)とおもいましたが、無言でにっこり。
お「とにかく、なにもしたくない。じゃー、わたしはすることないじゃない。なんのために、うちにきたの?」
ぴ「感染症などになったとき、たすけていただきたいとおもいました。いまでは、ありません」
お「感染症ね、そりゃたいへんよ。このじゅくじゅく、体液がにじみでてるでしょ。これタンパク質。タンパク質に雑菌がつくと菌が繁殖するでしょ。で、それが、全身にまわったら、たいへんよ。そうね、じゃー、抗生物質をまずは、内服してもらいましょうか」
ぴ「いま、とびひになったり、毛膿炎になったりしてませんよね」
お「ほんと、よくしってるわねー。まー、そうなんだけど、予防になるから」
(あのー。抗生物質って予防になるんですか!? まー、でも、いちいち反論するのも…。もらっておけば、こんどとびひになったとき、のんでもいいか)とだまっていると…
お「あと、かゆみどめものみましょうよ。だって、かわいそうよ。かいちゃだめとか。おかーさんには、わからないでしょうけど」
ぴ「だめとはいってないんですよ」
お「あー、佐藤先生は、かいてもいい派でしたよね。だったら、なおさら、抗アレルギー剤、のみましょうよ」
ぴ「はい…でも、ここ3年は、のみつづけたんですよ。でも、のんでない1ヶ月とそんなにちがうかどうかは…」
お「でも、いいじゃない。きやすめにだって。かゆくてかわいそうっていうより、こどもだって、これのんでかゆくないっておもえば、たすかるでしょ。じゃー、そうだ。紫外線療法はどう? これなら、ステロイドなし。たしか、ステロイドつかわないお医者さんのなかにも、紫外線療法してる人いたじゃない」
ぴ「います」

【最後の本音トーク】
お「ね、じゃあ、しましょうよ…。うーん…自然治癒力ねー。たしかにねー、わたしもね、若いとき、顔ががさがさになって、お年頃でしょ、効果な化粧品ぬりたくったわよ。でも、ぜんぜんよくならない。ワセリンもためしたけど、べたべた。もう、やんなっちゃって、3日ぐらいほっておいたの」このへんから、口調がどんどんはやくなりはじめました。
「でね、いつのまにか、お肌しっとり。うれしかった〜。たしかに、なにもしなければ、脂がにじみでてくるって、あれは実感した。ほんと、ともだちにきかれたら、「医者がなにゆってんのって笑われそうだけど…」なんて言いながら、「なにもぬるな」ってすすめるわよ。だから、個人的にはね、あなたの気持ち、よくわかるの。それを主張するお医者さんは一理ある。でも、患者さんにはすすめられない。わたしたち、開業医よ。そんな「自然治癒力でどうにかなります」っていっちゃったら、どーするのよ。まず、ガイドラインにそってないことで、なにかあったときに問題になっちゃう。それに、現実問題として、ステロイドもつかわない。飲み薬もいらない。プロトピックもだめ。そんなことしてたら、忙しいだけで、つぶれちゃうわよ」
ここで…いつも、後ろでキラリと目をひからせているおー先生の長年のパートナーといったかんじの看護士さんが、先生の肩をたたきました。そして、わたしに言いました。
「わかりました。とにかく、ステロイドはぬりません。内服薬はだしますので、のんでください。紫外線治療をあちらでおこないますので、看護士の指示に従ってください。それから、このお書きになったものは、お持ち帰りください」
ぴ「あの、それ、カルテにはっておいてください」
「必要ありません。では、次の方もいらっしゃいますので」
おー先生のほうをみると、もう「自然治癒力」の話をしていたときのような明るい表情はきえていました…。でも、顔はパソコンにむいていましたが「おかーさん、彼には、ステロイドなし、ためしてみましょう。協力します。ときどき、みせにきてください」とはいってくれました。
わたしは、両手をあわせて、「すみません。お手数かけます。ありがとうございます」と、診察室をでました。

【というわけで…】
ふっくんは、紫外線療法をうけ、薬局にはよらずにいこうかとおもったものの、ふっくんが「あそこの薬局、たのしいからいこーよー」というので(いくと、こどもには、おもちゃのプレゼントがあるうえに、絵本・漫画がそろっています)、本音トークを全開してくれたおー先生の顔をたてるためにも、よることにしました。

しかし、この先、どうしよう。あのおー先生が、いやあの「やりて」看護士さんが、ステロイドつかわない治療に関心がないのは明白です。おー先生はともかく、彼女のほうは、手紙をのぞきんこんで、露骨にいやそうな顔をしていましたから…。これまでも、あそこの病院では、なにかと、先生は彼女に、「ねー、どうしよう」「どうおもう?」ときいています。
次回、方針がかわっていないとも、かぎらないし…。

おー先生が、「協力するね」といってくれたにもかかわらず、私の虚脱感はどこから…。とおもっていましたが、たぶん、それおー先生が、脱ステロイドにそれほど関心をもってくれなかったせい。いや、「しっているけど、その問題にはこれ以上ふみこみたくない」という彼女の気持ちが、いたいほどつたわってきたからだとおもいます。
開業医の立場では、むずかしいのでしょう。

今日の治療点数 初診料:270点、処方せん料:68点 紫外線:350点
たしかに、薬も紫外線もことわったら、医者はあがったりだ…。
「脱ステ・脱保湿」は、開業医にとっては、ありがたくない治療法ではありますよね…。


<その夜、ふっくんは…>
ちなみに、ふっくんは、もらってきた薬はみむきもせず、ひたすらひっくんに「きょーさー、サングラスかけたんだよ。ねー、おかーさん」と、紫外線療法のときにしたサングラス体験を自慢していました。
そういえば、お医者さんには「うわっ、ひど」っていわれちゃったけど、気づけばまた耳切れがなおっているし、耳の中をかゆがることもない(8月頃は、耳の穴の中もかゆがって、医者に「めんぼうにロコイドつけて、ぬっといて」っていわれてました)。
夜中も、そんなにばりばり掻いていません。
「波」というけれど、ステロイドをやめてひどかったのは、いまのところ、2回。
やめて1週間目の夜中の絶叫(これは2日間、かきむしっていました)。そして、1ヶ月後のおととい(でも、これは1日で終了)…。そのほかの日は、おちついている気がするけれど…

あとは、「きょうはさー、いつも包帯まきなおしてくれる、くー先生、おやすみだったんだよね。で、ほかの先生は、わかってくれないんだよ。テープを足に直接つけないで、ガーゼと包帯してるって、説明してんのに、ぜーんぜん、きいてない。こどもだとおもって、ばかにするのは、よくないよねー、おかーさん」
「いっ、いや…先生たち、ばかにはしてないとおもうけど、どこも固定しないで、包帯するってけっこうむずかしいのは、たしかなんだよね」
「えっ、固定ってなに?、固定」
(しまったー、質問攻めにあう〜〜)「えっと、うごかない場所をひとつつくること。さて、えっと、足マッサーして、ねようよ〜」
「あしたは、くー先生、くるといいな〜」そう言いながら、今日は、就寝。

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