2010年11月6日土曜日

多数派は、多数派ゆえにただしいのか?

2010年11月6日(土)
<小児科にいってきました>
リンパ節はますます縮小傾向。いそいで、おー先生のところにいかなくちゃ!
というわけで、いってまいりました…。
つかれました…。

【リンパ節の説明は、明解!】
おー先生も、めがねキラリん看護師さんもにこやかにむかえてくれました。
「このまえの、紫外線、どうだった?」
「ごめんなさい。よくわかんないです(にっこり)」
「まー、そっか。で、きょうはどうする?」
「すみません、きょうは…」(と、ここはほんと。ふっくんは、やりたがっていたので、やってもいいとおもっていましたが…。病院についてから、2時間ちかく経過していました。予約制になったから大丈夫と、ひっくん・みっくんをダンくんとのこしてきましたが、
すごくこんでいたのです…。たぶんかえったら「おなかすいた!」としかられそう…。でも、ほんと、人気あります。おー先生)

「わかった。で、今日は、どうした?」
「リンパ節が…」
どれどれ?と触診。「これ、大丈夫。やわらかいし、そんなに大きくないし、こどもはただでさえ、リンパがはれやすいけど、この子アトピーでしょ。ひっかき傷からいろんなものが侵入してくるから、体も攻防戦でたいへんよ」
「先生、これ歯茎の炎症関係あります? 奥歯がはえてきて」
「みせて」
と、口の中もみてくれました。
「こんなの、ぜんぜん平気。かんけいないよ。それより、問題はアトピー」
と、先生は、全身をみはじめました。
(説明は、明解。しかも、ちゃんとからだもみてくれる…この先生、やっぱりいいな〜)
「あっ、でも、この手、あかぎれちゃって、大変じゃない?これ、ほんとに薬ぬらないの?」
こっから…たぶん、先生、次にわたしたちがきたら、説明しようと準備してくれていたにちがありません。

【皮膚決壊=健康崩壊説】
「25年くらい前に、わたしもよく患者さんに説明してたんだけど、からだをお城だとかんがえてみて。で、お城は城壁が本丸をまもってるわよね。人間の城壁はね、皮膚なのよ。そこが、くずれたら人間はもろいの。だから、皮膚をまもるって大切なのよ…」と。
実際は、もっとずっとながい話でした。だから、ふっくんがじれはじめました。
「おかーさん、きいてる? でも、この話、信用していいとおもうのよ。だって、このたとえ話と同じはなしを、最近また、えらい皮膚科医さんもつかってるの」
私が、じれたふっくんの相手をしつつ、超満員の待合室をおもいうかべ、黙っていました。コメントすると、話がながくなる。なんだか、もうしわけない、そうおもっていました。
「おかーさん、私の話になんの反応もなし?」
「あっ、ごめんなさい。きいてました。私も、先生のたとえ話は、妥当だと思います。皮膚はからだの中枢部分をまもっているとおもいます。だからこそ、皮膚は大切です。だからこそ、その皮膚を丈夫にする必要があるとおもいました。おさないときから、薬づけにしてあまやかしてはいけません。そう、うけとりましたが」
先生は、おおきくため息をつきました。
「そう、きましたか…。でも、おかあさん、こんなかさかさにあれた肌で、丈夫になんかなんないわよ。保湿やめるとか、ステロイドやめるとか、もっといい状態のときに、はじめなさいよ」
「先生、わたしもそう思ってきました。そう思って、5年たちました。ステロイドは、その間、マイルドをうすめたものから、ベリーストロングに移行しました。どうすればいいんですか?」
「だから、プロトピックとかつかってみれば、いいじゃない」
「いやです」
「だったら、このあかぎれ、どうするのよ。かわいそうでしょ!」
「先生は、どうしたらいいとおもいますか?」
「どうしても、ステロイドを拒否するなら、せめて亜鉛華軟膏でおおいましょう」
「わかりました。それなら家にありますから、かえってから自分でします」
「それも、したくないってことなの?」
「いえ、かえって、よく考えてみたいんです」

【えらい人・多数派だから、ただしい?】
このあたりで、先生、しびれをきらします。
「おかあさん! 佐藤健二さんの意見とてらしあわせたいとでもいうの? あなた、佐藤さんは、皮膚科医のなかでは少数派なの。皮膚科のえらい人たちは、みんなステロイドを推薦してる。たくさんの医者が、ステロイドをつかって治してるのよ。それ、常識といってもいいわ」
「たしかに、亜鉛華軟膏にするかワセリンにするか、検討しなおそうとはおもっていました。でも、先生、少数派が改革するってことはおおいともおもいます。たとえば、湿潤療法ってあるじゃないですか」

【アトピーの湿潤療法は危険!?】
「あっ、あれだめよ! ステロイドぬってうえからラップするとかいうのでしょ。どっかの病院でやってたわよね。あれで、甲状腺機能だめになっちゃって重症化した人はなんにもいるの。ネットでみて、まねして、すごいことになった患者さん、うちにもきたわよ。あれは、もうやっちゃいけない治療方法として、ちゃんと勉強している皮膚科医なら、しってるはずよ。ねっ、だから、新しい治療方法とか、少数派のいうことには、慎重にならないと」
この情報は、私にとって貴重でした。おー先生、ありがとうございます。
たしか、11月4日に、ふっくんだけキズパワーパッドをはると大変になること。あーちゃんも脱ステ後、3年たってはじめてキズパワーパッドが、ふつうにつかえるようになったこと。そんなことから、「ステロイド使用中の湿潤療法、まずくないか…」とおもいはじめていたところでした。ちょっと、うれしい。
「そうですか、勉強になりました。ありがとうございます」
「だから、えらい人たちのいうこと、ききなさいって」

【創傷への湿潤療法は?】
「はい。でも、先生、わたしがもうしあげたかったのは、創傷とか熱傷、褥瘡への湿潤療法のことです。これも、「まちがい」っていってる人いますか?」
「あ〜。そのこと。そんな、傷は、ちゃんと消毒して、細菌感染をふせいだうえで、傷口をふさぐのは、あたりまえじゃない」
「いえ、だから、夏井睦さんなどは、その消毒がまずいといっているわけです。キズパワーパッドとかも、いま宣伝していますが、消毒しません。水洗いだけです」
「消毒しないなんて、それ、おかしいわよ。まー、こどもがころんだぐらいなら、水洗いだけもいかもしれないけど…。それじゃ、だめなのもあるわよ」先生、ここで一息つきました。

【多数派をバックに説得される】
「とにかく、皮膚のはなしにもどしましょう。おかあさん、えらい人がいってるんだから、大丈夫。わたしは、ステロイドだしつづけるなんて、しないから。ちゃちゃっと、薬つかって、きれいにしちゃいましょうよ。それから、ステロイドやめればいいじゃない」
「先生、多数派につくことは、安心かもしれませんが、正しいとはかぎらないのではないでしょうか。「権力者」もいつも正しいわけではありません。先生、科学の価値の転換は、つねに異端視される少数派の意見からはじまります。私は、こどもへのステロイド投与を危険とする、少数派の医師を信じます」
先生は、おおきくため息をつきました。
「わかりました。もう、好きにしてください。で、きょうは、どうするんだった?」
「いえ、このまま、かえります。ありがとうございました」

【爆発したふっくん】
診察室をでたとたん、ふっくんが「いやだ、まだかえらない」といいはじめました。
「あの先生に、くすりぬってもらう〜。先生は、くすりぬれば、なおるっていった〜!!」
その声はしだいに大きくなり、泣き声もまじりはじめました。
受付の女性があわてて、「すぎむらん、きょうは、もういいですよ」と、治療点数の紙と診察券をわたしてくれました。
私は「ありがとうございます」といって、いまや泣き叫んでいるふっくんをずるずるひきずって病院をあとにしました。
そのあと、車の中で、家にはいって、ふっくんは、泣き叫びつづけ、私をけりまくりました。
(しまった〜)とおもいましたが、あとのまつり。
ふっくんは、しっかり話をきいていたのだとおもいます。そして、先生のいうことと、私のいうことがちがっていたために、混乱したのでしょう。
もうしわけないことをしました。
「ふっくん、大丈夫だから。ね。あーちゃんや、こうめさんを信じようよ。山下さんも応援してくれてるじゃん。こどもにステロイドは危険だとおもうから、みんな、ふっくんのこと心配して、応援してくれてるんだよ。大丈夫。かならず、よくなるから」
そういって、抱きしめても、腕をのがれて、あれくるっていました。

こんなときは、さすがきょうだい。みっくんが、「ふっくん、たいへんだったね」「おもち、いっしょにたべようよ。まってたんだよ」と声をかけてくれました。
「ひっくんも、ふっくんまってたんだけど…もう時間がないからっていっちゃった。ふっくんにあげていいからって、のこしてってくれたよ」
最初は、「いらない!」「うるさい!」といっていたふっくんでしたが、しだいに、だまってみっくんの言葉をききはじめました。
「あ〜あ、ひっくんが、のこしてれたなら、たべてあげるよ! もう、しかたないな」
それから、みっくんと二人ならんで、「おかーさん、おちゃ〜」といって、おもちをたべました。
ダンくんは、「ふっくん、たいへんだったな。あとで、ゆっくりはなししよ」と。
こっそり私に、「こんどは状態がいいときにつれてって自慢したれ」というのですが…いや、それもそうだけど、でも、そういう問題か?(笑)
でも、これで、ダンくんが、こうめさんに紹介してもらった医者への受診にのりきになりました。ちょっと、よかった。

<たしかに…「アングラ」かも…>
しかし…ふっくん…ほんとに、ごめん。ごめんね。おかあさんが、不用意でした。
でも…でてくるときは、病院をはやく去りたい一心でしたが、かんがえてみれば、おー先生も、わたしたちのことを気にかけて、いろいろ話す内容を用意していてくれたんですよね。
これから、どうしようかしら…。

しかし…しみじみ、脱ステ患者をうけいれてくださる先生たちの努力にあたまがさがる思いです。
あの、人の話もききいれてくれ、心配してくれるおー先生ですら、これです。もっと「いばった」よくある医者だったら、どうなるのか…。
そりゃ、深谷元継先生、やめたくなって当然かも。
佐藤健二&美津子先生、藤澤先生、玉置先生、中村先生、木俣先生などなど、ほんとに、おつらいこともたくさんあるとおもいます。
ありがたいです。

なお…本日の治療点数、再診料70点、外来管理加算52点
わたしたちに、確実に10分はつかい1220円の報酬…。ふつうはリンパ節みておわりだから、2分ですんだはず…。

さて、しかし、ふっくんとは、もう一度、はなしあう必要がありそうです。
なんて、いおうかしら。

<ピアのいやし>
さて、あーちゃんに「たすけて。スカイプもとむ。くわしくは今日付のブログで!」的メールをおくり、上記のとこまでアップしました。
夕方、さっそくあーちゃんが、スカイプにアクセスしてくれます。(やった〜!)
ふっくん、みっくん、あらそってでます。で、けんかに。
「「けんかをやめて〜。ふたりを、とめて〜」だよね(笑)。けんかきらい。やめて」とあーちゃんにいわれて、おとなしくなったふたり。
そのあと、きにいってるおもちゃの説明にはじまり、あやとり、おりがみなどなど、あそびのご披露に余念がありません。
「きょう、お医者さんいったはなし、しようよ〜」とふっくんにいうと、ぎろっとにらまれました。
で、また、実演あやとりのつづき。
ふっくんがわかんなくなって、「あやとりの本」みて、わざを確認しているあいだに…。
「あーちゃん、ありがと」
「そんなん、いいよ。でも、だいじょうぶかな」
「どうかな〜。そういえば、習い事にいってたひっくんを車でむかえにいったとき、おー先生のはなししたの。で、『おかーさん、ふっくんになんていったらいいとおもう』ってきいたんだ。そしたら、『それ、けっこうかわいそうだったよね。でも、ふっくんには「いま、やめていいの?」って、きけばいいんじゃないの?「せっかく、ここまできたのに、ふりだしにもどるの? たいへんだよ」って』」
あーちゃんが、「お〜!!」といいます。
「ねー。妥当な意見だよね」
「うん。それ、妥当すぎて、なかなかおもいつかんよ。ひっくん、おもしろいね〜」
きいてたひっくん、とくいげに胸をはっています。
ふっくんが、「わかってるよ、そんなこと!」とおこった口調でつぶやいて、あやとりとともに画面にはいりこみます。
「ねーねー、あーちゃん。みて。こんどは、成功するよ!」

そのあとも、ふっくんはきげんよく、夜をすごしました。
あーちゃん、ありがとう。
きょうも、かゆみもそんなになかったみたいです。
ひどかった膝下も、かさぶたになって、じくじくいっさいなし。かなりきれいなかんじ。
ひっくんが、おふろで、「ふっくん、なんか、足きれいになってきたね」といってくれたのもあるのか…。
(じつは、車でひっくんに「それ、直接ふっくんに言って」とたのんだけど、「いやだ」とことわられました。このせりふは、彼なりの、ふっくん応援メッセージだったようにもおもいます)
手のあかぎれも、「きょうは、ワセリンぬらない」ときっぱり。
6才児も、決断したようです。

<おふろにマザータッチ!>
書くのをわすれていました…。やっと、脱塩素シャワーつきました!
金曜の夜、おふろにはいろうとおもったら、ついてました。
「あんた、どこがかたくて、まわせんのか、意味わからん」だそーです…。
「でも、この水、のめるよ。いいかも」と、水道水のにおいがきらいなダンくん、いちばん、うれしそう。
今晩は、みかんをきらしたので、マザータッチを、おふろにいれてみました。
ひのきのかおり、ほんのりただよい、いいかんじ!!
のこりゆも、お洗濯につかえて、一石二鳥!
わたし、かなり好きです。マザータッチ風呂。むすこたちも、けっこう気に入ってました。
あーちゃん、情報ありがと〜。

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