2010年11月18日木曜日

「肯定される」ということ

2010年11月18日(木)
<「病院にいく」という行為>
なんだか、つかれています…。
「ふっくん、アトピーとつきあっていけばいいよ」というとき、ふっくんは「アトピーをもつこども」です。
が、「アトピーをみてもらいに医者にいく」となると…、ふっくんは「アトピーの患者」となります。
なんか、病院にいくことで、患者役割をひきうけざるをえなくなる…。これって、どうなんでしょう。
「こども」も、おうおうにして立場がよわいですが、「患者」もまた立場が弱いですよね…。
弱さの重複…親の指示にも、医療者の指示にさからえない…。みすてられたくない…。ちょっとやさしくされるとうれしい…。

とくに、患者の場合、「いまの状態をなんとかして」とおもえばおもうほど、相対的に医者の力が強くなり、患者の立場はよわくなるかもしれません。

そいうえば、3人目の息子を生んだ病院では、まったくの自然分娩でどこも切らずにうまれたのに、毎食後抗生剤がだされました。たまたま仕事でパソコンをもちこんでいたため、「抗生剤 予防投与」でしらべたら…。「手術後の抗生剤投与は耐性菌を生むだけで、メリットなし」とする論文がたくさんでてきました。その画面みせて、医者に「不必要だとおもいます」といったとき、すごいいやな顔してました。
それでも、私、不利益をこうむらないように、退院する朝まで薬をためて、最後の回診のときにそれを伝えたことを覚えています。

あらためて…そんなある意味「アナーキー」が私が、なぜにふっくんのアトピーに関しては、これまで治療方法に疑いをもたなかったのか…。
たぶん、アトピーは「みため」の問題が大きいからかもしれません…。おばーちゃんたちに「みっともない!こんなんで、ほっといて。私はあなたをもっと注意深く育ててたわよ」といわれたくない。私が「肌をかきむしる息子」をみたくない…。私の「都合」ばっかりですね。自己嫌悪…。ごめん。

<「善意」という「重荷」>
あ、でも…この「母」という人は、ちょっとやっかいな存在でもあります。娘には遠慮も容赦もないとゆうか…。
そういえば、もう10年以上前になりますが、わたしの友人も、アトピーのこどもの脱ステにチャレンジしていました…。
そのとき「ほっといていいの!?」とそのおかあさんが、連日なにかもってきたそうです。マルチ商法的な1本1万円もするようなジュースに、あやしげなぬり薬…。「ぴーふけの言うことなら、きくかもしれない。あれ、やめさせて。お金もむだすぎ」と白羽の矢をあてられ交渉にでむくも…「ぴーふけちゃんには、私がどれだけ心配してるかわからないのよ!」と号泣され…。
まいりました。
「善意」とは、ときにおそろしいです…。
このとき私は、ついつい「おかーさん黙らせるために、もう一回ステロイドつかったら?」と言ったような…。ごめんね…。今の私が、友人にそれ言われたら、すごくなえます…。あのときは、きづかなかった…。ステロイドについて知ろうともしていなかった…。
でも、その友人のこどもも大きくなって、いまはそれほどアトピーになやんでいるようすはありません(たぶん、その友人が、がんばったんだと思います。こんどどうだったのかきいてみようかしら)。
たしかに、私の母も、このまえの朝日の記事、しっかりきりぬいて「ステロイドつかわないと!」とやってきました…。ありがたいけど、こまる…。
そうそう、母娘関係でいうにいわれぬ葛藤があるときは、ぜひ
信田さよ子『母が重くてたまらないー墓守娘の嘆き』(春秋社、2008年)
をお読みください! わたしは、これで救われて、かえって母娘関係がよくなりました…(笑)。

そいえば、私の「脱ステ宣言」に無関心そうだった知人のひとりも、ブログをみてくれて…。
「よんでて、いろいろ昔のこと、おもいだした。私もそういえば、こどもに「薬以外の方法を!」「自宅で温泉治療はどう?」と湯ノ花買ったりしてたよ」「でも、おばーちゃんにいろいろ言われたくなくて、その頃は実家から遠ざかってた!(笑)」
なんか、一緒だ。すごくすくわれました。ありがとう。


<「ふつう」からはずれる存在>
さて、深谷先生の標準治療を広めるとはという投稿をみて…つくづく「おー先生、あなたの態度、やっぱり問題ですよ」と思えてきました(でも、朝日新聞の記事のおかげで、深谷先生の情報発信がふえたことは、ありがたいことです。でも、でも、あとで、どーんとこないことを願っています)。
「標準治療を拒否する」患者を鼻で笑い、関心をなくすとは…。「ふつう」からもれた人たちを無視/排除するということですよね。
「ふつう」以外の人に注目するかしないか…。これは…やはり「科学」とは関係ありません。その人の「思想」の問題だと思います。
しかも、標準値からはずれる事象、「ふつう」ではない状態に着目してこそ、「科学」と言えるともおもいますが…。


<保湿解禁!?>
そういうえば、あーちゃんから「保湿はじめました」メールがきました。
そんな時期です…。わたしも、かかとのがさがさがピークに達し、1カ所ひびわれて痛い…。ふっくんも部分保湿をはじめたし、私もメンソレータム解禁にしよう!
(とおもったら、ふっくんに「ぼくも半分こ実験つづけてるんだから、おかーさんもかかとは塗ってもいいけど、手はだめ〜」と言われてしまいました…(爆))

そいういえば…私のかかとのがさがさは遺伝的なのか、母と一緒。高校生の頃はもう、友だちに笑われるほどがさがさ。
谷崎潤一郎の「刺青」を読んだとき、つい自分のかかとをみつめながら、「私…谷崎には好かれないな~。でも、私が好きになった人が、谷崎みたいに『かかとフェチ』だったらどうしようかしら…」なんてナイーブにも思ったりしていました(笑)。
以前、テレビで、オリーブオイルをぬってラップでおおって靴下はいてねる方法を紹介していて、やってみたこともあります(今思えば、湿潤療法!ですね)。これ、すごくききました。が…ねるとき靴下はくのってなんか好きになれなくて、すぐ挫折。
でも、じっさいに不都合なのは、ストッキングをはくときぐらい。はいた瞬間にかかとにひっかかってやぶれます(笑)。でも、ストッキングなんてもう何年もはきません。つまり、ほとんど困ってないです。

でも、そのせいか…あかちゃんのかかとが大好きです。ふわふわでやわらか。「歩き出したら、がちがちになっちゃう!」と息子たちが赤ちゃんの時、さんざさわりましたし、いまも保育園であかちゃんがよってくると、かかとにさわってみたり(笑)。わたしがいつのまにか「かかとフェチ!?」(笑)。

またちがった…。「かかとフェチ」のはなしではなく…。ふっくんの皮膚のかさかさも、この程度なら問題ないって話をするつもりで…。

<保育園の先生と、アトピーについて語る>
ふっくんの担任の先生にひさしぶりに会いました。(早朝保育の時間におくり、延長保育時間にむかえにいくことがおおいので、めったに会えません…。ほとんど、コミュニケーションはおたより帳に依存しています)。
で、先生が
「このまえ、なんか今日はやけに顔がきれいだとおもって、どうしたのってきいてみたら、ふっくんが『電車2回のりかえて、バスものって病院いってきたんだよ』ってすごくうれしそうにおしえてくれたの。で、「なに? そこは特別なことしてくれるの?」ってきいたんだけど、「なんにも」って。ほんとに、なんにも?」
「うん。そこステロイドやめることに肯定的なお医者さんで…」とおー先生での診察室でのいきさつをはなし、
「混乱してたみたいだから、おもいきってつれてってみたの。はげましてもらいにいったようなものだから、べつになにもしてないんだよ」
「じゃー、アトピーって気持ちにかなり左右されるってこと? あれから、ほんとなんかふっくん、顔がきれいだよ」
「うん、そうかも…。それに、あれから、ひっくん、みっくんがやけに協力的で…。なにかと「きれいになってきたね」「このまま、つづけよう」って言ってくれて、本人もその気になってるみたい」
「よかったね〜」
「うん、いろいろあったけどね〜」と、予期せぬアスペカミングアウト話などして、爆笑していたのですが…。
「でも、ふっくんには、よかったとおもうよ。保育園でも、『くすりぬらなくても、かゆいときはアイスノンで冷やしたり、ローラー針でかけば、大丈夫だから』って、『ほら、足もきれいになってきてるでしょ』なんてみせてくれて。あの人、すぐぷーっとふくれるし、負けると怒るしで、気分に波はあるけど、でも毎日元気にとばしてて、ほんとによく笑ってるよ」と言ってくれました。よかった〜。
「でもね〜、おかーさん、みんななにかしらあるもんね。私はさ、それをなくそうとせずに、つきあっていけばいいとおもうんだよ。へんに、かくそうとか、なくそうとするから、話がややこしくなるし、こじれる。ふっくんもアトピーあっても大丈夫。あの子は、くすりなくても十分やっていけそうだとおもうよ。でも、おかーさん、大変なときもあるとおもうから、また、このまえの石けんのときみたいに、手紙でもなんでも、言ってね。できることは協力するから」
しみじみ、ありがたい言葉でした。先生に、私のかんがえを「それでいいよ」っていってもらえるって、こんなにおちつくものなんだと…。
先生と、話せて良かった〜。この保育園でよかった〜。
(でも、この保育園、今年で廃園…。わたしのすんでいる自治体は、いまここのような公立保育園を次々閉鎖し、民間にゆずりわたしています。わたしたち、かなり「運動」したのですが…かなしいです。こんなベテラン保育士さんと一緒にはたらいて、保育士さんたちの智恵をゆずっていってほしいのに…。民間はいくら良心的でも経営の都合で、どうしても「若い先生」と「パートさん」になりがち…。なかなか「先生」はそだちにくい環境にあるとおもいます…)

<きょうのふっくん>
今日のおふろは、「漢方、生薬入浴剤『芳泉』」をいれてみました。いつも無農薬野菜や放牧牛乳をかっているところでもらったパンフレットをみて、なぜかふっくんが「これ買う!」と強く主張。肌にはどうかわからないけど、「冷え性」にいいなら、買ってみるかと。
で、いれてみましたが…おふろ真っ赤。においは…とうがらしとシナモンとどくだみをまぜたような(どれも入ってません(笑))強烈なにおい…。入浴剤大好きひっくんが顔をしかめています…。が、ふっくん、おおよろこび。
「これ、いいよ!」(えっ、そうなの!?)。
うん…たしかに、あたたかい…。しかも、においからは「ぴりぴりきたらどうしよう」とおもったのですが、なんだかやわからなはだざわり。いいかも…。ふっくんは、「ぜんぶ、しぼりだす!」とずっと生薬がはいっている袋をにぎって、でてきません。
まー、きみが気に入ったなら、よかったよ。
*すみません、とうがらしは入っていました。「蕃椒」がとうがらしのことだそうです…。どおりで袋をにぎると熱い感じがしたわけです…。あとは、みかんの皮や生姜などなど。

おふろあがりは、また左半身のかゆいところにのみ、保湿剤をぬりました。

ふっくんは、今日は保育園の先生にもほめてもらったし、はじめてふっくんと同時進行で「脱ステ中」のおにいさんにもコメントをもらったしで、ご機嫌で眠りました。

<「石けん」不使用運動!?>
そうそう、「もう手も足も痛いことはなくなった」という話から…。
「石けんつかってないからだよね」とふっくんがいいました。
「それもあるよね。保育園のみんなはどう? ふっくんが石けんつかわないこと、なにも言わない?」
「いわないよ。だってぼく、説明したもん。石けんのつかいすぎは、手がかさかさになってかゆくなるし、もっとひどくなると痛くなるよって。いま、ぼく、きみくんとも一緒の班だから、おしえてあげたかったんだよね。で、ほんとはきみくんにいったのに、いまぼくの班、だーれも石けんつかってないんだよ。先生はしらないけどさ(うきゃきゃきゃきゃ〜っ)」
「へー、よかったね」と一緒に笑いながら、内心(どこかのおかーさんが「不衛生なことおしえないで!」って、怒ってきませんよーに)とおいのりしてしまいました(笑)。

でも…保育士さんとはなせたのが、きのうの今日でよかった〜。
私…おもっていたより、おー先生の対応、ダメージがおおきかったようです。

でも、今日もみなさん、ありがとうございます。元気づけられました。
おやすみなさい。

3 件のコメント:

  1. 以前、脱ステを支援してくれた病院の医師(その時は脱ステ派ではなかったけど、今開業しているHPをみると、なるだけステロイド使わないって方針に変わったみたい!)が漢方出してくれてたんだけど、おいしかったんだよね。でよくなってから飲むと激マズ。身体は自分に必要なものを知っているんじゃないかと思ったりします。ふっくんが気に入ったのならいいんだと思うな~

    後、STACで面白いのは映画ではなく、TVです!(キッパリ)

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  2. 間違えたので一回削除しました。
    皮膚の状態は絶対に心の状態に影響を受けると思います。脱ステ中にくだらない会議に出ていて、顔が真っ赤になってしまったことがありました。

    主治医によれば、脳の細胞と皮膚の細胞は発生学的に同じ、何だろうです。「第三の脳」にも通じますね。

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  3. そっか~。漢方の話、感覚的に納得です。私も体調によって、たべたいものとか避けたいもの、あります…。ふっくんも、なぜかアトピーがざわめきだすと、夕食用につかおうとテーブルにだしておいたレタスをばりばり食べてたり、肉類をごっそりのこしたりします。ふしぎだな~。
    とりあえず、おふろはまずひっくんがはいり、そのあと「芳泉」いれて、ふっくんと私ではいることで一件落着しました。
    SATCは、そうか…テレビか…でも、いまごろはまると生活一変の危機! 禁欲します。
    おかげさまで、ふっくんは元気です。「あーちゃん、またスケイプしよ〜」ともうしております(笑)(とかいたら、「にこにこマークにして〜。あの暢行さんのとき、ぼくうれしかったから、あーちゃんもうれしいよ」だそうです(^_^)

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